アドベンチャートラベル・ガイドについて
こんにちは。英語講師、通訳案内士、森林インストラクターの馬上千恵です。
今北海道では多くの自治体や旅行会社が「アドベンチャートラベル(AT)」という比較的新しい旅行形態のツアーの造成・販売にチャレンジしています。9月にはAdventure Travel World Summit(ATWS)北海道2021がバーチャルで開催されます。
- 「アドベンチャートラベル」とは?
- 今までの「エコツアー」や「ネイチャーツアー」と、どのように違うのか?
- 欧米の旅行者の視点とは?
- お客様に伝えたい「ストーリー」とは?
・・などなど、たくさん課題に皆さん丁寧に誠実に取り組んでいます。
そして、常に、でてくる問題が
「この作り上げたツアーを誰がガイドするの???」
です。
例えば、一つのアクティビティや体験のみを体験するのであれば、
そのアクティビティを熟知し安全に行えるガイド、そして英語が話せなければその通訳が必要になります。
このように1つあるいは2つの個所をスポット的にガイドする人が「スポットガイド」になります。
そして、いくつかのアクティビティや体験をつなげて一つのストーリーをつくり上げる場合は、それぞれをつなぐ「スルーガイド」もさらに必要になります。
またこの「スルーガイド」の定義が難しい、と感じています。
現在、外国語ができて行程管理もできる人というと、「通訳案内士」がスルーガイドになると思います。
従来の定番観光地や体験をするのであれば、通訳案内士がガイドし、行程も管理し、時には通訳という役割も果たせると思います。(現に自分もそうしてきました。)
ただ、アドベンチャーツーリズム(AT)では、
参加者が自然の中でのアクティビティや地域との交流体験を通して、「異文化や新しい価値観に触れることにより、自分の中で何かが変化する」(私個人の解釈ですが💦)
ということが目的の一つのため、
ATのスルーガイドは、
「ツアーのテーマを理解し、地域やスポットガイドとの信頼関係もあり、他言語でディープで最新なネタが話せ(ガイドブックに載っていない)、通訳も話し手の意図を理解しながらでき、最終的には全体のストーリを紡ぎあげることができる」
ことが必要になってくるのではないかと思っています。もちろんお客様と一緒にアクティビティに参加するだけの体力も必要です。さらに行程管理も任されるかもしれません。
特に重要だなと感じているのは「ガイドする地域を知っており、地域住民やガイドとの信頼関係がある」ということです。全体の行程を理解していることはもちろん、お互いにテーマやストーリーを共有していなければ、連携して安全にガイドをすることも、通訳することもできません。
・・しかし、これ、とてもハードルが高いと思うのですが、いかがでしょうか?一体、どこまでできるのだろうか・・?と自分でも思います。
もちろん、絶対できないことではありません。現に今もされているガイドの方もいらっしゃると思います。
ですが、ガイドに依頼する際に、
「はい、じゃあ、これ行程。ガイドしてきてね~。英語話せるんでしょ?通訳案内士なんでしょ?じゃあ、できるでしょ?もちろん料金はそのままで!」
では、どうなんだろうな、アドベンチャートラベルって今までのツアーと変わりないのかな?と感じています。また、通訳案内士の方はとてもまじめで勉強熱心な方が多い印象です。そういった方の「やる気」に頼ってばかりでいいのかな、とも思います。
アドベンチャートラベルは従来のツアーよりも料金が高額で、ターゲットもより「裕福で教育水準が高い人」と言われています。また地域に落ちるお金も多いようです。そうしていただくには、お客様の満足度を高める必要があります。
アドベンチャートラベルのツアーを造成する、ということは、とにかく自然に関するアクティビティを入れ、宿泊施設のランクを上げ、なかなかできない体験を増やす、ことだけはないとは思うのですが・・。
そもそも、そのツアーを実際に行う方、スポットガイドやスルーガイドの確保と育成、雇用の条件整備が重要なのでは・・
通訳案内士として、実際にガイドをする立場としては、自戒を含め、いろいろ複雑な思いを感じる今日この頃です。
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