私と英語のヒストリー
GWです。皆さま楽しんでいらっしゃいますか?
講演やセミナー終了後、「どうやって英語を話せるようになったの?」というご質問を個人的に受けることがよくあります。平成から令和という新しい時代を迎えるにあたって、振り返りたいという思いもあり、自分と英語の歴史をまとめてみました。長文になります。
【初めての英語でのコミュニケーション】
私が英語に出会ったのは中学生の時。今と違って、小学生で英語を学んでいる子は私の周りではゼロでした。マイケル・J・フォックスやリバー・フェニックスなどハリウッドスターに憧れ、とにかく英語を話したいと思っていました。ALTの外国人の先生を休み時間のたびに訪れて、覚えたてのフレーズで話しかけて、初めて通じたときの嬉しい気持ちは今でも覚えています。
好きな俳優にファンレターを書いたり、外国の人と文通したり、洋楽をテレビやラジオからカセットテープに録音して何度も聞いたり、とにかく英語に触れていました。手紙を書いたといっても、何日も何時間もかけて、ほぼサンプルを丸写し。自己流の英語学習でした。そして、アメリカやヨーロッパのガイドブックを図書館から借りてきては、旅行の計画を本気で立てていました。
今思えば、英語に触れているだけで、ワクワクドキドキしていたのは、日本の向こうの国に思いをはせていたからだと思います。家族仲はよく、学校生活もそれなりに過ごしていたとは思うのですが、それでも自分の気持ちを率直に話せない息苦しさ、クラスの中で浮かないようにしなくてはいけない怖さを、外国に目を向けることで解消していたのかもしれません。
中学を卒業し、高校生になるとそこまで英語に熱中はしなくなりました。自分の居場所が見つかったからかもしれません。そして、「理系の科目の方が就職に有利」「英語は自分でも勉強できるだろう」と考え、大学は農学部に進みました。大学では英語は科目だけになり、就職のために英検の勉強をしたくらいでした。
【公務員:森林インストラクターと英語学習再開】
大学卒業後、北海道森林管理局で森林管理や森林環境教育業務に従事。森林官、森林インストラクターとして森林の人を癒す力を知り、森の素晴らしさを人に伝え共有する面白さを見つけました。
と同時に英語への情熱が再燃。きっかけはJICAで外国からやってきた林業研修生に説明する機会を得たことでした。おそらく心のどこかで眠っていた、「日本以外のいろいろなところに行きたい、人に会いたい、経験したい」という思いが、「いつか英語を生かした仕事をしたい」という考えにつながっていたのだと思います。
仕事が終わってから英会話学校や通信講座などを活用してコツコツ学んでいました。
出向先で100年に一度と言われる災害に遭遇。3~4か月間、昼間は被害を受けた森林を徒歩で調査、夜は事務処理、報告書作成に一人休日出勤、を連日こなしました。
疲れ切ってため息をつきながら、ズタズタになった森の写真数千枚を整理したときは、今でも思い出します。この仕事でいろいろな意味で達成感を感じ、もっと自分の可能性を広げようと、31歳で森林管理局を退職しました。
【留学で知った現実と気づき】
退職後、学費もリーズナブルで明るいイメージのあったオーストラリアへまずは語学留学をしました。渡豪時にTOEICが800以上あったため、日常会話できるつもりでいたのですが、実際には現地の人の会話が聞き取れず、ショックで落ち込みました。試験英語の影響か難しいことは話せるのに、日常的なこと、たとえば「背中がかゆい」というような簡単なことをとっさに言葉にできなかったのです。
改めて英語は言葉、コミュニケーションの道具であることを実感し、難しい単語や複雑な文法よりも、シンプルに気持ちを伝える英語力を現地の人との会話で身につけるよう頑張りました。構文を駆使して会話をするより、その時の気持ちを素直に、分かりやすい英語で伝えたほうがずっと距離が縮まりました。
語学学校ではとにかく授業が楽しいことに刺激を受けました。また多くの英語に伸び悩む日本人留学生に出会い、英語勉強法をアドバイスをするうちに英語を教えることに興味を抱いたのもこの頃です。その後、同じオーストラリアで英語教授法を学ぶことのできる学校に入学、TESOL(英語教授法)の資格を取得。さらにマッサージを学ぶ夜間コースにも入り、オーストラリア人になかに交じって、マッサージの基本を学びつつ、ネイティブとの会話に慣れました。
帰国後、大手英会話学校に就職。講師を務め、レッスンや経営を実地を通して学びました。退職後は夫の転勤で世界遺産知床へ。森林管理局での経験を活かし自然ガイドとして活動。長男出産をきっかけにフリーになり、自らのガイドの質を上げるため、仕事をしながら英検1級と英語通訳案内士の資格を取得しました。
ほぼ毎日、日本人も外国人もご案内しました。知床にもちょうど外国人観光客が増え始めている時期で、世界中から様々なお客様をご案内する機会を得ました。はじめは英語を話すことに精一杯で知識を伝えるだけの一方的なガイディングをしてしまうなど、お客様に楽しんでいただけるガイディングをしていなかったと思います。ですが、回数と経験を重ねるにつれ、お客様によって話題や内容を変えることができるようになりました。分かりやすい英語紙芝居やパンフレットなど自分を助けるツールを作成したこともよかったのだと思います。
「あなたと歩くとこの場所が宝物に見えてくる」スイスの方から言って頂けたとき、本当にガイドになってよかったと思いました。
このガイド経験で、私は英語で知識や経験を分かりやすく、面白く人に伝え、共有することで喜んで頂ける仕事が本当に好きだといういことを実感しました。
【M’s Englishをスタート~現在】
帯広で「M’s English」主宰。プライベートレッスンのほかカルチャースクールの講師、親子で楽しく英語を学ぶ「英語絵本音読セミナー」、そして森で自然体験しながら英語を学ぶ「英語で森林さんぽ」なども開催し、さらに英会話レッスンのラジオパーソナリティーなど活動の幅を広げました。
その後、2014年から日本の最北稚内で、通訳案内士の経験と英語講師の経験を活かし「接客・おもてなし英会話セミナー」をスタート。稚内市はじめ、周辺の市町村でも開催することができました。また、お客様のご要望にあわせて、観光用の英語の地図や標記を作成を始めたのもこのころです。
セミナー・レッスンでは始めに心と身体の緊張をほぐし、リラックスすることで英語を話しやすくする手法が特徴的。英語を勉強としてではなく気持ちを「伝える」ための手段と思える内容になっています。
生徒さんの英語の壁を取り払い、今ある英語力を最大限に生かすことを重点が置いているので、「いつの間にか英語を話していた」「どんどん話せる気持ちになった」「長年疑問だったことが1回のレッスンで分かった」と好評をいただいております。
2017年4月には北海道の道南にある厚沢部町に転居。活動の範囲が北海道から全国に広がりつつあります。昨年度は北海道以外では埼玉県川越市、岩手県二戸市、岐阜県高山市、栃木県日光市で講演を行わせていただきました。
これからも気持が伝わる英語、どんどん広めていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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